歯周病患者では歯石沈着により症状が悪化することが知られているが、歯石が歯周病の病状を悪化させるメカニズムについては不明な点が多い。本研究では、歯石中のリン酸カルシウム結晶が、マクロファージにおいてはNLRP3インフラマソームという自然炎症経路を活性化して炎症性サイトカインIL-1β産生を誘導し、歯肉上皮細胞においては、ピロトーシスと呼ばれるインフラマソーム依存性細胞死を誘導して上皮細胞シートの透過性を亢進させることを明らかにした。これらの結果から、歯石粒子の歯肉上皮バリア破壊と歯周組織における炎症拡大への関与が示唆された。
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