研究課題
う蝕などによって失われた歯質の回復に用いられる治療法は、直接法修復と間接法修復に分けられる。直接法修復とは口腔内で直接材料を充填する治療法であり、間接法修復は歯型を採取して模型上で詰め物(インレー)・被せ物(クラウン)を作製して口腔内に装着する治療法である。この間接法修復は近年3DスキャナーとCAD/CAM技術の発展により、従来使用できなかった材料が使用できるようになり、またデジタルトランスフォーメーションにより人件費と製作コストの減少が期待される。この間接法修復において2022年度より、あらかじめ高度に重合させた樹脂を使用した高強度なCAD/CAMレジンブロックを使用したCAD/CAMインレーが保険収載された。 このCAD/CAMインレーへの接着試験を共同研究者として行い、2022年6月の日本接着歯学会・国際接着歯学会合同学術大会でポスター発表を行った。その後、比較対象を歯科用ジルコニアとして研究を継続している。ジルコニアは本邦においては保険適応外の材料であるが、CAD/CAMレジンブロックと同様に削り出し技術の発達によって歯科への応用が可能になった材料である。当初は白色を呈するもののジルコニア単独では歯牙の微妙な色彩を表現できず、色調のコントロールに優れた 長石系の陶材のフレームとして使用または臼歯部に審美性を期待せず使用されていた。しかし現在高透光性、超高透光性ジルコニアという材料が開発され、ジル コニア単独で前歯でも使用できるような審美性が獲得され、大幅に適応範囲が拡大した。CAD/CAMにより比較的安価に修復物が作成できるため、世界的に広く応 用されている。このジルコニアとの比較試験を行い、接着様式の違いなどを研究中である。
4: 遅れている
コロナ禍による海外渡航制限、材料の入荷遅延のため
歯科用ジルコニアに対する接着試験を推進し、CAD/CAMレジンブロックとの接着様式の差及び臨床的改善点を模索し論文化する
コロナ禍による海外渡航制限と材料入荷遅延による研究進度の遅延のため。遅延している当初の予定の研究を推進する。
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