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2021 年度 実施状況報告書

幹細胞が分泌するエクソソームを用いた誤嚥性肺炎の治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K18558
研究機関名古屋大学

研究代表者

椙村 有紀子  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (10778658)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエクソソーム / マクロファージ / 抗炎症 / 嚥下障害 / 誤嚥性肺炎
研究実績の概要

昨年度に引き続き,In vitroの実験を中心に進めた.
エクソソームは,超遠心法のペレットダウン法を用いて分離した.エクソソームは,動的光散乱法を用いて粒径が約60-100nmであること,電子顕微鏡により脂質二重膜粒子であること,また,ウェスタンブロット法を用いてCD9,CD63,CD81などのテトラスパニンを発現していることを確認し使用した.
分離したエクソソームを炎症に関与するマクロファージ,神経再生に関与するシュワン細胞に作用させ遊走能,増殖能そして遺伝子学的評価をした.組織再生には炎症反応が重要であることがよく知られている.近年,マクロファージの活性化の状態には,炎症性(M1)と抗炎症性(M2)があると言われており,M2マクロファージの組織再生能が注目されその効果が期待されている.末梢神経においても,M2マクロファージには,軸索再生効果があると言われている.今回,マクロファージにエクソソームを作用させると抗炎症性M2マクロファージへ誘導することを見出した。また.シュワン細胞の遊走能,増殖能ともに上昇させ,そして神経再生に寄与する遺伝子NGF,BDNF等の発現も上昇させることがわかった.
神経再生には血管新生も重要と言われている.そこで,血管内皮細胞とエクソソームを共培養をし血管新生に与える影響を評価した.その結果,エクソソームを作用させると血管長をより長く,分岐部数を増加させ,血管形成を促進することがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響で物流に遅延があったため当初の計画より遅れが生じた.
また育児中ため,思うように時間が取れず研究に遅れが生じた.

今後の研究の推進方策

次年度は,ラット誤嚥性肺炎モデルにエクソソームを投与し効果を評価する.ラットの上喉頭神経を圧挫し,嚥下障害モデルを作製し,圧挫24時間後に頸静脈よりエクソソームを投与する.嚥下観察による機能的評価,組織学的評価をする.上喉頭神経の電気生理学的評価,組織学的評価そして,遺伝子学的評価をする.
また,エクソソームからRNAを回収し,マイクロアレイを用いたmiRNAプロファイリングをする.この中より嚥下障害改善に寄与するmiRNAを探索する.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響により,学会がハイブリッド開催になり交通費が不要であったため.
また,思うように実験が進まず次年度使用額が生じた.
使用計画としては,試薬の購入や動物実験の費用として使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] シェーグレン症候群の唾液腺細胞老化に幹細胞由来細胞外小胞が与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      小間義朗,酒井 陽,渡邊純奈,椙村有紀子,坂口晃平,丸山 裕,日比英晴
    • 学会等名
      第75回日本口腔科学会学術集会
  • [学会発表] Exosomes derived from mesenchymal stem cells stimulated by hypoxia accelerated osteogenesis2021

    • 著者名/発表者名
      Kohei SAKAGUCHI, Kiyoshi SAKAI, Yukiko SUGIMURA-WAKAYAMA, Yoshiro KOMA, Junna WATANABE, Hiroshi MARUYAMA, Liu, Kehong, Dong Jiao, Hideharu HIBI
    • 学会等名
      99th IADR general session
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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