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2023 年度 実施状況報告書

幹細胞が分泌するエクソソームを用いた誤嚥性肺炎の治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K18558
研究機関名古屋大学

研究代表者

椙村 有紀子  名古屋大学, 医学系研究科, 客員研究者 (10778658)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード歯髄幹細胞 / 培養上清 / パラクライン効果 / エクソソーム / 嚥下障害 / 誤嚥性肺炎
研究実績の概要

加齢とともに肺炎による死亡率は増加し,高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥性肺炎であるといわれている.誤嚥性肺炎に対し口腔ケア,嚥下訓練による予防が行われているが,根本的な治療法はなく,新しい治療法の開発が求められている.
本研究の目的は,ヒト乳歯歯髄幹細胞(SHEDs)由来エクソソームを用いた誤嚥性肺炎の治療法の開発である.
エクソソームは細胞から分泌される大きさ30-200nm程度の脂質二重膜構造をもつ小胞で,細胞間の相互作用において重要な役割をもつことが明らかとなってきた.エクソソームは,由来する細胞と類似の機能を有し細胞移植に替わる新規治療製剤として期待されている.また,エクソソームは細胞を直接用いないため,重篤な免疫拒絶反応が起きにくく安全性が高いと考えられてきた.しかし,近年エクソソームは未解明な部分が多く残ってお思わぬ副作用が生じる可能性があることや培養時のコンタミネーションが指摘されている.そこで,今年度はエクソソームの安全性について検討をした.
継代培養操作によるエクソソームの性質変化を評価した.継代回数が1-10回であれば,動的光散乱法,電子顕微鏡,ウェスタンブロット法のいずれにおいても大きな変化を認めなかった.エクソソームの保存は.4℃で1週間,-80℃で1ヶ月保存し性質変化を評価したが,有意差は認めなかった.次に.ヌードマウスに尾静脈より単回投与し,造腫瘍性評価をした.投与8週後に,全身臓器の病理組織学的検査(H&E染色)をしたが,腫瘍形成は認めなかった.
コンタミネーションについては,無菌試験,マイコプラズマ否定試験,エンドトキシン試験をしたが,いずれも検出されなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

エクソソームは,生物学的に不明な点が多く副作用が懸念事項にある.
当初計画していなかった安全面について追加実験を行う必要があったため遅れが生じた.

今後の研究の推進方策

今年度は,最終年度であり研究計画を完遂するよう努める.
エクソソームの嚥下障害に対する効果をまとめ論文発表を行う.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由
試薬、消耗品の購入を一括ででき、効率的に使用できたことによりコスト削減が可能であった。
使用計画
現在,準備中の英語論文の校正費や投稿費に支出予定である.また,国内外の学会参加費にも支出予定である.

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公開日: 2024-12-25  

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