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2022 年度 実施状況報告書

侵襲性歯周炎新規モデルラットのインプラントの周囲組織反応の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18560
研究機関広島大学

研究代表者

岡田 信輔  広島大学, 病院(歯), 病院助教 (20736558)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードインプラント / 侵襲性歯周炎 / 16S rRNA解析
研究実績の概要

近年,侵襲性歯周炎に対するインプラント治療の予後が注目されている.侵襲性歯周炎は家族性に発症すると報告されており,その原因菌としてAggregatibacter actinomycetemcomitans(以下Aa)が報告されている.また歯周病原因菌は母から仔へと垂直伝播するという報告がされている.しかしながら口腔内に定着するAaの伝播時期や経路については未だ不明な点が多く,これらを再現した動物モデルも確立されていない.そこで本研究の目的は,ラットを用いて母から仔へAaが垂直伝播する可能性を検討することとした.
妊娠14日目のSprague-Dawley系ラット(n=2)に対し, PBSに懸濁したAaを尾静脈注射にて投与した.仔ラットを出生させ,歯牙の萌出を確認後に標本とした.またAa投与前および投与後の母ラットからプラークサンプルを採取し,仔ラットからもプラークサンプルを採取した.採取したサンプルは16SrRNA解析にて,Aaを確認した.
母ラット(n=2)およびそれぞれのラットから3匹ずつ無作為に選択した仔ラット(n=6)を対象とした.属レベルでの相対占有率では,母ラットではAa投与前後にてAggregatibacter属を認めなかったものの,仔ラット2匹からAggregatibacter属を認めた.またAggregatibacter属を認めた仔ラット2匹はベータ多様性において他のサンプルと比較して似通った菌叢を有することが明らかとなった.
今回行った検討では,母体から仔体へとAaが垂直伝播する可能性が示唆された.またAaを有していた仔ラットが似通った菌叢を有していたことから,Aa単独ではなくAaを含んだ菌叢として垂直伝播している可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

母ラット(n=2)およびそれぞれのラットから3匹ずつ無作為に選択した仔ラット(n=6)を対象とした.属レベルでの相対占有率では,母ラットではAa投与前後にてAggregatibacter属を認めなかったものの,仔ラット2匹からAggregatibacter属を認めた.またAggregatibacter属を認めた仔ラット2匹はベータ多様性において他のサンプルと比較して似通った菌叢を有することが明らかとなった.

今後の研究の推進方策

今回行った検討では,母体から仔体へとAaが垂直伝播する可能性が示唆された.またAaを有していた仔ラットが似通った菌叢を有していたことから,Aa単独ではなくAaを含んだ菌叢として垂直伝播している可能性が示唆された.(動物実験倫理委員会承認 承認番号A20-176号)。
本結果より、今後、このAa伝播モデルを用いて、Aaがインプラント周囲組織に与える影響を解明する。

次年度使用額が生じた理由

マウスの16SrRNA解析が計画より遅れてしまったため、当初計画予定であったAa伝播モデルに埋入するインプラント体購入費および解析等にかかる費用を翌年度分と合わせて使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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