研究課題/領域番号 |
20K18567
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
渡辺 孝康 日本大学, 歯学部, 講師 (70725514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インプラント周囲炎 / 細菌叢 / メタトランスクリプトーム / 機械学習 / ディープラーニング |
研究成果の概要 |
歯科インプラントを埋入した後のインプラント周囲に形成される細菌叢では、特定の細菌遺伝子の転写発現割合が明瞭に高かったが、その時系列的変化は顕著ではなかった。また、遺伝子発現を主として担う細菌は、検出割合や時系列的変化のパターンが検体により一様ではなかった。このことから、インプラント周囲細菌叢では、細菌の遺伝子発現組成が週単位で時系列的に変化していく一方で、遺伝子発現を担う細菌の種類の時系列的な変化は患者ごとに多様であることが推察された。また、機械学習の適用によって、口腔内の疾患局所の細菌叢検体を属性によって識別し得る応用可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
口腔細菌学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インプラント周囲に生じる複合感染症であるインプラント周囲炎については、インプラント体を埋入した時点で炎症が生じていなくても、細菌叢において何らかの病的な変化を経ることによって炎症の発症につながることが示唆される。本研究で明らかにした、インプラント周囲細菌叢における細菌の遺伝子転写発現やそれを主体的に担う細菌の種類の時系列的な変化は、細菌叢が将来的に病的変化するとすればそのもととなる状態と位置づけることができ、インプラント周囲炎の発症・進行をコントロールする上での基礎的情報となり得る。
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