研究実績の概要 |
本年度は,マウス骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1 (Riken cell bank) およびヒト歯肉由来上皮細胞 Ca9-22 (Riken cell bank) を10% FBS含有α-MEM,DMEM中で,24時間および7日間培養し,細胞数の計測を行った. また,骨芽細胞においては,14日,28日間培養し,アリザリンレッドS染色(コスモバイオ)を行い,実体顕微鏡にて観察を行った. 結果:骨芽細胞(MC3T3-E1)の24時間培養後の細胞接着数は,平面(control)と比較し,Groove, Pillar, Holeのマイクロナノパターン上で有意に多かった.また,培養7日後においては,Groove, Pillar, Hole上で骨芽細胞の細胞数がcontrolと比較し,有意に多かった.パターン間での細胞数に有意差は認めなかった. パターン化PLGA上で,骨芽細胞の7,14日,28日と培養し,アリザリンレッド染色を行い石灰化基質産生能の評価を行った.骨芽細胞においては,平面(control)と比較し,Groove, Pillar, Holeのマイクロナノパターン上で,controlよりも多くの石灰化基質の沈着が認められた.パターン化での染色程度に違いは認めなかった. 上皮細胞(Ca9-22)の24時間培養後の細胞接着数は,平面(control)と比較し,Groove, Pillar, Holeのマイクロナノパターン上で有意に少なかった.また,培養7日後においては,Groove, Pillar上で上皮細胞の細胞数がcontrolと比較し,有意に少なかった.骨芽細胞では,マイクロナノパターンを付与することで細胞接着・増殖能が向上し,上皮細胞では,細胞接着・増殖能が抑制されることが示された.
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