研究実績の概要 |
生分解性ポリマーであるPoly(lactic-co-glycolic acid) (PLGA)にて試作マイクロナノパターン化PLGAメンブレンを作製し,表面性状および細胞培養を行い,接着・機能について評価した。 ◯材料及び方法:PLGAグラニューを熱プレス機でシート状に成型し,熱ナノインプリント法にてGroove, Pillar, Hole構造を有したPLGAメンブレンを製作した (20mm×20mm). パターン化PLGAメンブレン表面を走査型電子顕微鏡(SEM), レーザー顕微鏡および接触角計にてぬれ性の評価を行った. MC3T3-E1細胞(骨芽細胞)とCa9-22細胞(上皮系細胞) をパターン化メンブレン上に播種し, 10%FBSを含むMEM-α中で3時間培養し,光学顕微鏡にて形態観察及び細胞接着数の計測を行った. また,MC3T3-E1細胞を14日培養後にALP活性能,28日培養後に石灰化基質能を評価した。 ◯結果:熱ナノインプリント法により 0.5 μm,1 μm, 2 μm の幅を持つ(高さ: 1 μm)Groove, Pillar及びHole構造が付与されたPLGAメンブレンを製作する ことができた. SEM及びレーザー顕微鏡により形状が維持されていることが観察された. 接触角の測定から, PillarとHole構造を付与することでPLGAメンブレ ンは疎水性を示した. Groove構造表面では,親水性を示した. MC3T3-E1の3時間培養後の細胞接着数は,平面(control)と比較し,マイクロナノパターン上で有意に多かった。Ca9-22の初期細胞接着数は,平面(control)と比較し,マイクロナノパターン上で有意に少なかった。MC3T3-E1細胞のマイクロナノパターン上で高いALP活性能および石灰化沈着を認めた。
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