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2021 年度 実施状況報告書

3Dプリンタを応用した水平性骨欠損、根分岐部病変に対する歯周組織再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K18571
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

福場 駿介  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 特任助教 (50845625)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード歯周組織組織再生療法 / 根分岐部病変 / 水平性骨吸収 / FGF-2 / 人工骨 / FGF-18 / インプラント周囲炎
研究実績の概要

2021年度は、昨年度の緊急事態宣言による進捗状況の遅れと残りの研究期間を考慮し、研究計画の抜本的な見直しを行った。そこで新たに線維芽細胞増殖因子18(FGF-18)の歯周組織再生療法への有効性の検討と、未だ適切な治療法が確立されていないインプラント周囲炎への対応を検討することとした。現在一般的に臨床応用されているFGF-2よりもFGF-18は歯の原基に対し歯周組織形成を促進することや骨形成蛋白質2(BMP-2)の存在下においてFGF-2より強く骨再生を促進することが報告されているため、根分岐部病変Ⅲ度、水平性骨吸収への歯周組織再生療法を達成する上で、その有効性の検討を行った。大型動物を用いた歯周組織再生モデルにて、FGF-2とFGF-18の有効性をmicro-CTによる三次元的形態学的解析、組織学的評価を行った。両群ともに欠損作成部位の新生骨の形成を認めたが、欠損作成部位の新生骨の骨体積及び骨塩量において両群に有意差は認められなかった。欠損中央を断面とする標本上でFGF-18群における新生骨・新生セメント質を認め、その効果はFGF-2と同等である可能性が示唆された。またGuided bone regeneration(GBR)によって骨造成された部位にインプラント治療を行い、そのインプラント部位に炎症が生じた際の骨補填材の抵抗性について自家骨と異種骨を比較検討した。大型動物を用いた実験的インプラント周囲炎モデルにて、自家骨、異種骨を用いてGBRと同時にインプラントを埋入し、絹糸にて実験的インプラント周囲炎を惹起させた。各パラメータにおいて有意な差は認めず、実験的インプラント周囲炎への炎症抵抗性は自家骨と異種骨で同等であることが示唆された。本年度は上記のように得られたデータに関して学会発表及び論文報告をすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度、緊急事態宣言の発令に伴い、学内で規定された研究活動レベルに制限が生じたため、一定期間、動物実験センターの利用が困難となり、予定していた実験計画は遂行できなかった。そのため、今年度も研究計画には遅れが生じている。残りの実験期間を考慮すると今回の実験デザインは抜本的に見直した。

今後の研究の推進方策

現在は実験の進捗状況がやや遅れているが、実験計画を大幅に見直し、残りの研究期間を考慮し、現実的に到達可能な目標とそれに対する研究内容へと修正した。実験結果については、国内外の学会発表および、国際誌への発表も予定しており、そちらの準備も進めていく。オンラインではあるが学会等への参加にて他分野の先生方の行っている研究などから知見を深めることができ、先行している研究者の助言も仰ぎながら研究を進めていきたいと思っている。

次年度使用額が生じた理由

申請時の計画より感染症拡大に伴い、実験の進捗が遅れているため、その使用状況もずれ込む形となっている。今後は最終年度としてデータ解析や学会発表、論文執筆などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of the bone graft materials used for guided bone regeneration on subsequent peri-implant inflammation: an experimental ligature-induced peri-implantitis model in Beagle dogs2022

    • 著者名/発表者名
      Sato Ryo、Matsuura Takanori、Akizuki Tatsuya、Fukuba Shunsuke、Okada Munehiro、Nohara Kohei、Takeuchi Shunsuke、Hoshi Shu、Ono Wataru、Maruyama Kiichi、Izumi Yuichi、Iwata Takanori
    • 雑誌名

      International Journal of Implant Dentistry

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s40729-022-00403-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two-stage approach for class II mandibular furcation defect with insufficient keratinized mucosa: a case report with 3 years’ follow-up2021

    • 著者名/発表者名
      Saida Hiroyuki、Fukuba Shunsuke、Shiba Takahiko、Komatsu Keiji、Iwata Takanori、Nitta Hiroshi
    • 雑誌名

      Journal of International Medical Research

      巻: 49 ページ: -

    • DOI

      10.1177/03000605211044595

    • 査読あり
  • [学会発表] 結紮誘導歯周炎モデルマウスを用いた ダイオードレーザー照射による歯周炎抑制効果2021

    • 著者名/発表者名
      大杉勇人, 畑佐将宏, 下平 剛, 芝 多佳彦, 駒津匡二, 土谷洋輔, 福場駿介, 前川祥吾, 新見ひろみ, 森田和機, 片桐さやか, 岩田隆紀, 青木 章
    • 学会等名
      第33回日本レーザー歯学会総会・学術大会
  • [学会発表] イヌ 3 壁性骨欠損モデルにおける線維芽細胞増殖因子 - 18 による歯周組織再生効果2021

    • 著者名/発表者名
      竹内 俊介,岡田 宗大,福場 駿介,松浦 孝典,秋月 達也,野原 康平, 佐藤 諒,土居 洋文,今村 亨,井関 祥子,青木 章
    • 学会等名
      第64回秋季日本歯周病学会学術大会
  • [学会発表] 矯正治療後の前歯部歯肉退縮に対して審美的改善を図った一症例2021

    • 著者名/発表者名
      福場駿介
    • 学会等名
      第89回関東支部教育研修会
  • [図書] 【GPが知っておきたいペリオドントロジー最新トピックス】ここまでできる歯周組織再生療法 エムドゲインとリグロスの基礎知識とその比較2021

    • 著者名/発表者名
      福場駿介
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      デンタルダイヤモンド

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公開日: 2022-12-28  

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