2022年度は、昨年度の緊急事態宣言による進捗状況の遅れと残りの研究期間を考慮し、研究計画の抜本的な見直しを行った。そこで新たに歯周組織再生療法に影響を与える因子の探索、ダイオードレーザーや炭酸アパタイトの歯周治療への応用の可能性の検討を行った。具体的には、rhFGF-2を用いた歯周再生療法の長期的なアウトカムと、その影響要因を調査した。60例の骨内欠損を3年間にわたって調査した結果、rhFGF-2は歯周炎患者の歯槽骨再生に有効であることが示された。また、放射線画像上の骨欠損深さが影響要因であることが明らかになった。また高周波パルスダイオードレーザー照射が骨吸収を抑制する効果と、マウスにおけるリガチャー誘発性歯周炎における遺伝子発現と微生物叢の組成に及ぼす生物学的影響を調査した。結果として、高周波パルスダイオードレーザー照射により、リガチャーによる骨吸収が有意に抑制され、遺伝子発現にも変化が見られた。またリガチャーによる微生物叢の変化も確認された。高周波パルスダイオードレーザー照射は、歯周炎における骨吸収を抑制すると同時に、生物学的影響をもたらすことが示された。そして大型動物を用いた組織学的研究において、アクセスフラップ術、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)、炭酸アパタイト(CO3Ap)を用いた1壁骨欠損への歯周再生療法を比較し、CO3Apがβ-TCPよりも骨との結合能力が高いことが示唆された。またCO3Apを用いた場合、新生骨の面積比率が有意に高かった。本年度は上記のように得られたデータに関して学会発表及び論文報告をすることができた。
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