研究課題/領域番号 |
20K18575
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岩脇 有軌 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10754624)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 骨質 / micro RNA / オッセオインテグレーション |
研究実績の概要 |
インプラントを長期的に維持・安定させるためには、オッセオインテグレーションの獲得、維持が重要となる。オッセオインテグレーションには骨量や骨密度が関与していることが知られているが、近年特に骨質の重要性が注目されている。骨質についての研究は広く行われており、骨質は骨構造、骨代謝、石灰化などから構成され、その中でも骨構造ではコラーゲンの架橋構造や機械的刺激の関与が報告されているが、その全ての分子機序が解明されているとはいえない。一方で、エピジェネティクス機構の一つであるmicroRNA(miRNA)の遺伝子発現調節は様々な生命現象に関与しており、骨組織においても骨リモデリング、発生等に関連している。本研究では、miRNAが骨質へ影響を与えるシグナル分子の一つであることを検証し、骨質評価の指標または薬剤標的としてのmiRNAの可能性を探ることを目的としている。 本年度は、まず前年度同様、過去の文献でlysyl oxidase(LOX)に影響を与えると報告のあるβ-AminopropionitrileおよびDL-Homocysteineを各濃度溶液に調整した。LOXはコラーゲン線維の架橋を促進することが報告されており骨質に影響する可能性がある。次に、骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)を6 well dishに2.0×10^5播種し、培地にて24時間培養した。これに各濃度の溶液を加え細胞増殖や骨分化に関連する遺伝子発現の変動を検討した。また、以前より検討してきた予備実験や過去の文献より決定した各濃度の溶液を加え培養を行い、Total RNAを抽出して品質のCheckを行い、マイクロアレイ解析による網羅的解析の前準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度においてもMC3T3-E1におけるβ-AminopropionitrileおよびDL-Homocysteineの各濃度での細胞増殖や骨分化に関連する遺伝子発現への影響を検討した。また、マイクロアレイを行うβ-AminopropionitrileおよびDL-Homocysteineの各濃度を以前からの予備実験や過去の文献より決定し、その濃度でTotal RNAを抽出し品質のCheckを行った。新型コロナウイルスの影響によりやや進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まずβ-AminopropionitrileおよびDL-Homocysteineを各条件で添加し培養したMC3T3-E1におけるmiRNA発現についてのマイクロアレイ解析による網羅的検討を行っていく予定である。マイクロアレイ解析にて発現変動を認めたmiRNAについては、RT-qPCRによってその発現変動の確認を行う。これら発現変動を認めたmiRNAは骨質に影響する可能性があるので候補miRNAとし、その標的遺伝子候補をmiRDBやTarget Scanなどのデータベースを用いて塩基配列から検索・予測する。最終的にはその標的遺伝子の遺伝子発現やタンパク発現を検討するとともに、候補miRNA mimicをトランスフェクションした際のフェノタイプの変化も観察する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、細胞増殖や骨分化に関与する遺伝子発現やフェノタイプの検討を行ったが、多くを既存の試薬や機材で行うことが可能であったため、次年度使用額が生じた。次年度はマイクロアレイ解析やウエスタンブロットを行う予定であり高額な試薬や抗体が多く必要となるため、その費用に使用する予定である。
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