一般的に細胞は長期間培養されると複製老化がおこる。また、近年、老化した細胞は、炎症性物質等の細胞老化関連分泌形質(SASP)因子を分泌し、周囲組織に傷害を及ぼす事が明らかになっている。本研究では①細胞老化後の脱分化脂肪細胞(DFAT細胞)の特性評価や、②骨再生を増強させる効果的な老化細胞の除去法の探索を通し、幹細胞治療の礎となる基礎知見の収集を目指した。その結果、継代数を重ねたDFAT細胞において、細胞形態の扁平化や、核の肥大化、複数の老化マーカー・SASP因子の発現増強が確認できた。研究期間内に、②に到達は出来なかったが、複製老化DFAT細胞の特性に関して詳細な知見を取得した。
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