本研究目的は,インプラント周囲炎モデルを研究ツールとし,オートファジーを基軸としたインプラント周囲炎の発症機構を解明することにある.インプラント周囲炎モデルラットを作製して網羅的解析を行った.その結果,インプラント周囲硬軟組織では,健全な状態と比較して,コラーゲン産生が低下するとともに血管形成が抑制されていた.また,4種類のマクロファージサブタイプで動態変動が認められ,さらにT細胞のサブタイプにも変動が認められた.さらに,マクロファージのサブタイプAとT細胞のサブタイプXにおいて,オートファジーの特異的な発現変化が認められており,インプラント周囲炎にオートファジーが関与する可能性が考えられた.
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