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2021 年度 実施状況報告書

神経堤由来幹細胞を用いた硬組織再生方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K18612
研究機関昭和大学

研究代表者

浦野 絵里  昭和大学, 歯学部, 助教 (20756225)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード神経堤由来細胞 / 骨再生 / 口蓋粘膜 / 骨芽細胞 / 毛包
研究実績の概要

我々は、骨再生用の細胞ソースとして毛包内の神経堤由来細胞に着目し、神経堤由来細胞を用いた硬組織再生を目的として研究を進めているが、その中で令和3年度は、本研究チーム内で骨再生用の細胞ソースとして毛包以外の組織内における神経堤由来細胞で興味深い結果が得られたので報告する。
本研究チームでは、神経堤由来細胞が蛍光タンパク質で標識される遺伝子改変マウスを用いて、毛包よりもより歯科医師にとって身近な口蓋粘膜に着目し、解析を行った。その結果、口蓋粘膜内に神経堤由来細胞が存在することが認められ、更なる解析を行った。マウス口蓋粘膜内に存在する神経堤由来細胞を採取した後、我々の確立した神経堤由来幹細胞の高純度培養方法にて培養すると、毛包内の神経堤由来細胞と同様に神経堤由来細胞が増殖し、その純度は90%に達した。さらに増殖した神経堤由来幹細胞を骨形成誘導因子であるBMP-2の存在下で培養すると、骨芽細胞分化マーカーの発現レベルが上昇した。また石灰化誘導培地にて培養すると石灰化物の形成を認め、マウス口蓋粘膜内の神経堤由来幹細胞はBMP-2の刺激により骨芽細胞へ分化誘導することが示唆された。
これらの結果より、口蓋粘膜という我々歯科医師にとってより身近な口腔内の組織内における神経堤由来細胞が骨再生用の細胞ソースとして有用である可能性が示唆された。なお、本研究者はR2年12月からR3年10月まで産休育休により研究を中断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

口蓋粘膜という我々歯科医師にとってより身近な口腔内の組織内における神経堤由来細胞は骨再生用の細胞ソースとして有用である可能性が示唆されたため、新たな細胞ソースの選定に時間を要した。

今後の研究の推進方策

口蓋粘膜における神経堤由来細胞は骨再生用の細胞ソースとして有用である可能性が示唆された。毛包内の神経堤由来細胞の解析と共に、口蓋粘膜内の神経堤由来細胞を用いた骨組織の再生についても解析を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

R3年12月からR4年10月まで産休育休を取得しており、研究に費やす時間が少なかったため。口蓋粘膜に存在する神経堤由来細胞について、その神経堤由来細胞がなぜ口蓋粘膜に存在するのか解明していきたい。具体的には口蓋損傷モデルマウスを使用して、口蓋が治癒する過程における神経堤由来細胞の局在を解析する。その神経堤由来細胞の細胞集団は、損傷部での粘膜の新生、骨の新生に関与しているのか分化マーカー等の解析を行い、詳細を解明していく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Neural crest-derived cells possess differentiation potential to keratinocytes in the process of wound healing2022

    • 著者名/発表者名
      Takizawa Hideomi、Karakawa Akiko、Suzawa Tetsuo、Chatani Masahiro、Ikeda Megumi、Sakai Nobuhiro、Azetsu Yuki、Takahashi Masahiro、Urano Eri、Kamijo Ryutaro、Maki Koutaro、Takami Masamichi
    • 雑誌名

      Biomedicine & Pharmacotherapy

      巻: 146 ページ: 112593~112593

    • DOI

      10.1016/j.biopha.2021.112593

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 口蓋創傷治癒過程における神経堤由来細胞の役割.2021

    • 著者名/発表者名
      瀧澤秀臣, 唐川亜希子, 茶谷昌宏, 須澤徹夫, 坂井信裕, 畔津佑季, 浦野絵里, 上條竜太郎, 槇宏太郎, 高見正道
    • 学会等名
      第63回歯科基礎医学会学術大会
  • [学会発表] 口蓋創傷治癒過程における神経堤由来細胞の役割.2021

    • 著者名/発表者名
      瀧澤秀臣,唐川亜希子,茶谷昌宏,須澤徹夫,坂井信裕,畔津佑季,池田めぐみ,髙橋正皓,浦野絵里,上條竜太郎,槇宏太郎,高見正道
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
  • [学会発表] 口蓋創傷治癒過程における神経堤由来細胞の機能解析.2021

    • 著者名/発表者名
      瀧澤秀臣,唐川亜希子,茶谷昌宏,須澤徹夫,坂井信裕,畔津佑季,池田めぐみ,髙橋正皓,浦野絵里,上條竜太郎,槇宏太郎,高見正道
    • 学会等名
      第68回昭和大学学士会総会

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公開日: 2022-12-28  

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