純チタン金属を#1500まで研磨した後に、10Mの水酸化ナトリウム水溶液に室温で24時間浸漬することで純チタン金属表面にナノ構造を構築した。そこでさらにこの表面構造に酸化膜を形成した。表面構造を走査電子顕微鏡と走査型プローブ顕微鏡にて評価を行った。純チタンディスク表面には、微細な網目状構造物が析出されており、均一な凹凸が付与されていた。また、親水性についても評価したところ、表面処理を行った純チタンディスク表面は親水性が向上し超親水性の状態であった。また表面の元素解析の結果では、炭素の量が減少していた。 純チタン酸化ナノ構造析出純チタンプレートをグルコース濃度(5.5,8,12,24mM)とインスリン濃度(0,6.875,27.5,110μU/mL)に調整した培養液にて糖尿病モデルラット由来の骨髄間葉系細胞の増殖試験と分化試験を行った。増殖試験ではグルコース濃度の増加によって細胞増殖能が低下した。また分化試験では、アルカリフォスファターゼ活性がグルコース濃度上昇によって低下したが、オステオカルシン産生量とカルシウム析出量は8.0mMで著しく低下したものの、12mMと24mMでは増加する結果となった。 酸化ナノ構造析出純チタンプレート上でのPorphyromonas gingivalisの接着試験・バイオフィルム形成試験を行ったところ、コントロールと比較して表面処理を行った純チタンディスク表面には細菌が付着しにくい結果となった・
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