睡眠中の歯ぎしりのメカニズムを解明するための動物モデルとして、麻酔下においてリズミカルな顎運動を示す実験動物を活用して、顎運動の特性や、顎運動発生に伴う生理学的機序の解析を行った。ケタミン投与後の動物では、徐波活動の減衰に伴い心拍数や呼吸数が漸増し、開口筋優位のリズミカルな顎運動が発生した。一方、ウレタン投与下においては、閉口筋活動優位で歯ぎしり様のリズミカルな顎運動が発現、呼吸数の増加、脳波のα及びγ帯域の活動の増加を伴っていた。したがって、麻酔の無意識状態においてリズミカルな顎運動が発現する生理的条件として、脳波活動変動だけでなく自律神経系の活動の変化が関わることが明らかとなった。
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