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2022 年度 実施状況報告書

デジタル技術を用いたTooth Wearの診断モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K18646
研究機関昭和大学

研究代表者

田林 万奈  昭和大学, 歯学部, 普通研究生 (60850310)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード睡眠時ブラキシズム / オクルーザルスプリント / tooth wear / wear mesurement / 三次元形態計測
研究実績の概要

睡眠時ブラキシズム(Sleep Bruxism: SB)は睡眠中の歯のグラインディングやクレンチングを特徴とする睡眠関連運動異常症と定義されている.SBによって生じる過大な咬合力は,歯や歯周組織など顎口腔系の諸器官に様々な障害や補綴装置の破損を引き起こす可能性があるためSBの正確な診断は臨床的に重要である.Audio/video睡眠ポリグラフ検査(PSG),咬筋EMGを付与した簡易睡眠検査装置(Portable PSG),シングルチャネルのEMGなどを用いれば客観的な測定データをもとに診断が可能である.しかし,一般的には問診や口腔内所見をもとにした診断が行われており,こうした診断の信頼性は必ずしも高くはない.
ここで,SBの管理に標準的に用いられているオクルーザルスプリント(Occlusal Splint: OS)の咬合面に生じた摩耗を定量化し,SBレベルとの関連性を明らかにできれば,OSの形態変化を指標としてSB評価が可能である.そこで,本研究では,OSの咬合面に生じた摩耗を歯科用ラボスキャナーで定量化し,咬筋EMGを付与したPortable PSGより得られたSB筋活動との関連を検証した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在,精度に関する検証は全て終了し,インパクトファクターを有する英文学術雑誌に掲載されている.しかしながら,追加の検証および,それらのデータに関する論文執筆が必要と判断し,やや遅れていると評価した.

今後の研究の推進方策

Portable PSGで得られた検査値はOSを装着して睡眠中に得た検査値ではなく,スクリーニング時のものであることに留意すべきである.SB患者の咀嚼筋活動は毎晩変化する可能性があり,スクリーニング時の検査値と異なっている可能性が考えられる.文献的に,短期的なOSの装着により,咀嚼筋の活動が減少することが示されているものの,OSの装着直後のSB抑制効果は,2週間程度の継続使用により消失することが示されている.そこで,本研究では,2週間の順応期間を設けその後45日間使用したOSの咬合面の摩耗を評価することで,短期的なOSの装着におけるSBの抑制効果を除外できると考えた.最大摩耗深度の経時的な変化を観察すると,順応終了後15夜目ですでに最大摩耗深度の顕著な深化が認められ,この期間におけるOSによるSBの抑制効果は消失しているか,もしくは弱くなっていると推定された.今後は,毎測定夜にPortable PSGを装着し,そこから得た咬筋筋活動のデータをもとにOSの咬合面の経時的変化との関連性を検討する必要がある.

次年度使用額が生じた理由

現在,計測および検証は全て終了し,インパクトファクターを有する英文学術雑誌に掲載されている.しかしながら,追加の検証および,それらのデータに関する論文執筆が必要と判断した.
また,学会発表等なかったため,予定より支出が少なかった.国内外の学会において研究成果を発表し,成果についてのディスカッションを行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Three‐dimensional evaluation of sleep bruxism‐related splint wear using a dental laboratory scanner: A preliminary clinical study2022

    • 著者名/発表者名
      Iizumi Ai、Tanaka Shinpei、Takaba Masayuki、Miyoshi Keita、Nakazato Yukari、Baba Kazuyoshi
    • 雑誌名

      Journal of Oral Rehabilitation

      巻: 50 ページ: 122~130

    • DOI

      10.1111/joor.13394

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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