研究課題/領域番号 |
20K18647
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研究機関 | 東京歯科大学短期大学 |
研究代表者 |
中田 悠 東京歯科大学短期大学, 歯科衛生学科, 講師 (40844634)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 咀嚼筋 / 咬筋 / 超音波画像 / 口腔機能 / 口輪筋 |
研究実績の概要 |
加齢は筋繊維数の減少,筋繊維の萎縮を引き起こし,筋肉量が減少する。さらに高齢者においては社会活動性の低下や体力低下も相まって筋萎縮が進行しやすい。今日では全身機能低下,フレイル,サルコペニアへの対策が重要視されているが,同様に口腔機能低下,オーラルフレイルへの対策も重要である。全身疾患,嚥下機能の低下,歯の欠損などにより咀嚼を必要としない食形態や,非経口ルートによる栄養摂取を選択せざるを得ない高齢者はしばしばみられ,口腔機能の低下が懸念される。本研究では,咀嚼筋の一つである咬筋とその他口腔周囲筋や口腔機能がどのように関連しているか検討することを目的とした。 今年度は高齢者を対象としてデータ収集と分析を行った。某特別養護老人ホームに入居している高齢者28名を対象として,超音波画像診断装置(SonoSite iViz,富士フィルムメディカル)を用いて両側の咬筋の厚みの計測,口輪筋の厚みの計測,口腔機能低下症の検査・診断項目である7項目(Tongue Coating Index,口腔湿潤度,歯数,オーラルディアドコキネシス,舌圧,咀嚼能力グミテスト,EAT-10)の計測を行った。また,対象者が摂取している食事形態や水分とろみの有無について聴取した。 各項目間の関連を分析したところ,咀嚼能力,オーラルディアドコキネシスと咬筋の厚みに正の相関がみられ,下唇の口輪筋の厚みと咬筋の厚みに負の相関がみられた。また,咬筋が薄い者の方がお粥やとろみ付き水分を摂取している傾向がみられた。 今後も可能な限りデータ収集を行い,高齢者の口腔周囲筋と口腔機能との関連を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
施設における感染対策により研究対象者の選定に制限が生じていることや,研究代表者の産休・育休取得等により当初の予定より進捗は遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
可能な限りデータ採取を行っていき,採取できた各データの関連について分析を行っていく予定である。また,得られた研究成果については,学術大会にて報告する予定である。最終的には関連する学術誌に論文投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象者選定についての制限や研究代表者の体調不良等など研究進捗の遅延により当初の予定よりも消耗品使用が少ないことや,成果発表が少なかったためと考えられる。今後はデータ採取に伴う物品購入,学会発表,論文作成などに使用する予定である。
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