研究課題
認知機能と、口腔内感覚の鋭敏さに関する本研究において、本年は新規のドパミン部分作動薬が口腔内感覚に影響を与える可能性について論文発表を行った。本論文はClinical neuropahmacology誌に掲載されている。ブレクスピプラゾールが口腔異常感症に対して有効であった症例を提示している。我々は以前、アリピプラゾールが奏功した症例も報告しているが、今回の症例ではアリピプラゾールが無効で、ブレクスピプラゾールで反応が見られた。両薬剤は類似した薬剤プロフィールを持っているが、ブレクスピプラゾールはD2アゴニスト作用がより弱く、5-HT2Aと5-HT1A、α1Bレセプターへの結合がより強いと報告されている。この作用の差が効果に影響を与えた可能性があり、口腔異常感症の多様性が改めて示された。さらに考察において、幻覚等を引き起こす薬剤で口腔内の異常感覚が惹起された報告を引用し、中枢における5-HT2A等の作用が口腔内感覚に影響を与える可能性について指摘した。
3: やや遅れている
本研究に関する論文を1編報告できたが、口腔内の鋭敏さと脳機能画像を合わせた報告が未発表である。データをまとめ、報告したい。
既に口腔異常感症の脳機能画像の撮影は集積が進んでおり、数例の追加でデータ解析が行えると考えている。
次年度に最終的な発表を行う予定のため、論文投稿料として使用する。
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Clinical Neuropharmacology
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10.1097/WNF.0000000000000545