研究課題
若手研究
口唇形成術や口蓋形成術を受けた口唇口蓋裂患者の口腔感覚がどの程度回復しているかについて不明な点が多い。本研究では、口唇口蓋裂患者の口腔感覚特性を脳磁図計を用いて体性感覚誘導磁界(SEFs)を測定することにより、定量的・客観的に評価することを目的とした。研究の結果、上口唇や口蓋に電気刺激を付与した際のSEFsの頂点潜時は、健常者群と比較して、口唇口蓋裂患者群で有意に延長した。口唇形成術や口蓋形成術が口唇口蓋裂患者の感覚伝達経路に影響を与えた可能性が示唆された。
歯科矯正学
口腔感覚は咀嚼や言語などの口腔機能と相関があるとされ、口腔感覚の改善が口腔機能の改善に繋がると考えられる。本研究では、脳磁図形を用いて口唇口蓋裂患者の口腔感覚伝達メカニズムの一端を明らかにした。この成果により、口唇口蓋裂患者の口腔形態のみならず、口腔感覚も考慮した新たな治療法の開発に繋がる可能性がある。