研究課題/領域番号 |
20K18663
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 夕子 (原夕子) 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (80827676)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | CAF / 口腔癌細胞 / 3Dモデル / OCT / 画像解析 |
研究実績の概要 |
計画したプロトコール通りにCAFs をコラーゲンゲルに組み込んだ口腔癌 3 次元 in vitro モデルの作成 に成功した。使用した癌細胞は、口腔扁平上皮癌由来で、低分化型のHSC-3と高分化型のHSC-4とHSC-2とCA9-22の4種類で、 足場材としてのコラーゲンゲルに組み込んだ細胞は、正常口腔粘膜線維芽細胞と市販されているCAF(肺腺癌由来)とした。 3週間の培養期間をおいて、モデルを固定、パラフィン包埋、薄切、HE染色した。組織学的には、足場材が正常口腔粘膜線維芽細胞のモデルでは、いずれの癌細胞でもほとんどゲル内への浸潤が認めなかった一方で、CAFのモデルでは、癌細胞の浸潤が認められ、ヒトの扁平上皮癌の原発巣の組織像と類似した所見であった。さらに、低分化型のHSC-3を用いた場合の浸潤度は、他の高分化型の癌細胞を播種した場合よりも浸潤が顕著で、この所見も患者由来の扁平上皮癌の組織学的特徴と類似していた。さらに、OCT 断層撮像による口腔癌 3 次元 in vitro モデルの非侵襲的、経時的評価・解析を行った。癌細胞の浸潤度を非侵襲的画像解析で、明瞭に検出することができ、これは、11日14日18日21日と経時的に観察することができ、”浸潤”の経過も観察可能なことがわかった。組織学的な対比は現在検討中である。今後は「OCT断層撮像の定量的評価方法の確立」OCT画像に対し、(A) 浸潤深さ、(B) 境界明瞭度、(C) 画像の不均一度の3つの定量的評価法を実施し、OCT技術の有効性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
CAFsをコラーゲンゲルに組み込んだ口腔癌 3 次元 in vitro モデルの作成に成功したことで、癌細胞をの3D培養における浸潤の様式を早期に解明することができた。またOCT 断層撮像による口腔癌 3 次元 in vitro モデルの非侵襲的、経時的評価・解析を行い、癌細胞の浸潤度を非侵襲的画像解析で、明瞭に検出することができたことが要因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
②-2「OCT断層撮像の定量的評価方法の確立」OCT画像に対し、(A) 浸潤深さ、(B) 境界明瞭度、(C) 画像の不均一度の3つの定量的評価法を実施し、OCT技術の有効性を検証する。評価は高分化型と低分化型癌細胞それぞれに対して実施し、CAFsと正常口腔粘膜線維芽細胞を組み込んだモデルの平均値の統計学的検討で評価する。これらの定量的評価方法で有意差がでるか統計解析する。
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