近年、クロマチン再構成因子複合体つまり、クロマチンの構造を変化させることにより転写活性を制御する機能が発がん・悪性形質の獲得に関わると提唱されてきている。サブユニットの一つであるARID1Aは近年、卵巣明細胞癌の約50%で見いだされることがわかり、それ以降、胃癌の約30%、大腸癌や乳癌など多くの腫瘍で変異や発現の低下が報告されている。しかしながら、扁平上皮癌、特に口腔癌においてはこれらの報告は極端に少ない。 今後さらに発展すると思われるARID1Aの分野において、口腔癌における候補遺伝子を解析することは口腔癌の病態解明に非常に有益なものとなると考える。
|