研究課題/領域番号 |
20K18668
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小畑 協一 岡山大学, 大学病院, 助教 (80845389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / 画像検査 / 判別分析 |
研究実績の概要 |
口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移を、従来の方法よりも高精度にかつ簡便に行うことが可能となるような革新的システムを構築するために研究を進めている。 研究の目的の一つである「再発症例や化学療法、放射線療法を併用した症例にも範囲を広げ汎用性を高める」に関しては、当院の診療録から該当症例をピックアップし、必要な項目を抽出した。特に先行研究の症例とは異なり、初回手術から再発が確認されるまでの期間、化学療法の種類とその施行期間、放射線療法の総線量等様々な説明変数が追加となった。増えた説明変数が最適かどうかポジショニングマップを作成した。一部のデータに関しては先行研究と同様に判別分析を行い、70%以上の判別率を有する判別式が算出可能であることを確認した。しかしながら説明変数が多くなったことで、当初の目的である簡便に評価を行うという点から解離してきている。またデータ量も非常に多くなってきているのが現状である。そこで研究の目的にもあるように「精度向上を図るために、人工知能を導入する」こととした。現在どのアルゴリズムを使用すべきかを検討中である。 また研究の目的に挙げている「病理組織学的評価等の術後に得られる客観的データも組み込む」に関しては、該当症例の切片切り出しや検討すべき抗体の取り寄せ等を行っているが、これらは昨今のCOVID-19感染症蔓延により進行がやや遅れている。すでに用意のできている切片、抗体を用いて順に染色を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
該当症例の集計作業や統計学的検討は予定通り進んでいる。しかしながら、原発および頸部リンパ節の免疫組織学的染色をある程度進める予定であったものの、COVID-19感染症蔓延に伴い勤務時間に制限が出たことや、染色用の抗体が海外から納入できない等といったことにより研究全体の進捗状況はやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
人工知能を導入し、現在得られているデータを用いて機械学習をさせる。病理組織学的な評価方法に関する研究では、制限のある中でも可能な内容を進めてゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染症蔓延に伴い研究が遅延した。特に海外から取り寄せる抗体が軒並み納入できておず今年度分として請求を行わなかった。そのため翌年度に繰り越しを行った。翌年度は研究を迅速に進め遅延のないようにする。
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