研究課題/領域番号 |
20K18681
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
貝淵 信之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50621330)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 顎骨壊死 / ARONJ / MRONJ / ビスホスホネート / 抗RANKL抗体 / 間葉系幹細胞 / 細胞シート / 顎骨再建 |
研究実績の概要 |
MRONJ患者に対して、顎骨切除を行った際の再建法の開発の研究を行なっている。新規再建法として、MSCシートとチタンプレートを併用した顎骨再建法を検討しており、前段階として、下顎骨へのチタンプレート留置による顎骨壊死モデルを作製した。8週齢のSDラットに、薬剤投与あり群ではゾレドロン酸とデキサメタゾンを、薬剤投与なし群では生理食塩水を週3回皮下投与した。投与開始1週後に麻酔下で下顎骨左側オトガイ孔付近を切開し、骨表面を一層切削したうえでチタンミニプレート1穴分を留置し縫合した。術後6週まで薬剤投与を継続し、週1回の口腔外写真とCT撮影にて経過を観察した。術後6週でラットを犠牲死させ、HE染色、TRAP染色、RECA-1の免疫組織化学染色を行った。移植したチタンミニプレートは、両群とも術後6週まで口腔内に残存した。薬剤投与ありの群は、薬剤投与なしの群に比べ体重が有意に減少した。術後6週のCTでは下顎骨頬側面がより粗造を示した。HE染色では、薬剤投与あり群において空の骨小腔が大半を占める骨壊死領域が確認できたが、薬剤投与なし群では確認できなかった。この骨壊死領域にはTRAP陽性細胞は確認できず、またRECA-1陽性細胞も確認できなかった。この病態モデル作製については第66回日本口腔外科学会総会・学術大会および第25回公益社団法人日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会で報告した。 続いて、他家骨膜由来間葉系幹細胞(MSC)シート移植によりこの顎骨壊死病態モデルの改善が認められるか比較検討した。ラット下顎骨に留置するチタンプレートの周囲にMSCシートを巻き付けた群をMSCシート移植群とし、非移植群と組織学的、免疫組織科学的に比較検討を現在行なっている。 BRONJに対する間葉系幹細胞シートによる治療法の開発は、ビーグル犬BRONJモデルに対して歯根膜細胞由来間葉系幹細胞シートの移植実験を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
チタンプレートによるMRONJの病態モデルの作製はある程度確立した。このモデルを用いて、間葉系幹細胞シートを併用することで、MRONJ発症およびチタンプレートの露出、脱落が予防できるかを組織学的に検討している。臨床応用を目指している、BRONJに対する間葉系幹細胞シートによる治療法の開発は、現在、ビーグル犬BRONJモデルに対して歯根膜細胞由来間葉系幹細胞シートの移植実験を実施中である。 抗RANKL抗体製剤によるモデル作製は、抗体や動物種の選定を今後行い、実験を計画している。
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今後の研究の推進方策 |
チタンプレートによるMRONJの病態モデルの作製はある程度確立した。現在、このモデルを用いて、間葉系幹細胞シートを併用することで、MRONJ発症 およびチタンプレートの露出、脱落が予防できるか検討している。臨床応用を目指している、BRONJに対する間葉系幹細胞シートによる治療法の開発は、ビーグル犬モデルへの歯根膜由来間葉系幹細胞シートの移植実験を実施している。この結果をもとに、臨床研究を実施するために特定認定再生医療等委員会の承認、予算獲得を目指す。 抗RANKL抗体製剤によるモデル作製は、抗体や動物種の選定を今後行い、実験を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
別の予算の使用により、本年度の使用額は減少した。次年度使用額の増加分を用いて、当初の計画より研究内容を拡大して実施する。
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