ドライマウスは唾液分泌量の減少による口腔乾燥を主症状とする疾患である。近年、肥満患者での発症増加が世界中で報告されている。しかし、肥満とドライマウスの分子生物学的関連性の報告はなく、肥満がドライマウスを誘導するメカニズムは不明なままである。そこで本研究は、高脂肪食摂取肥満マウスを用いて、肥満がドライマウスを発症させる分子メカニズムを明らかにする。 研究の結果、高脂肪食を投与した肥満マウスの唾液腺では老化関連分子の発現増加が見られた。さらに老化マーカーの発現が腺房細胞で増加していた。このことから、肥満によって唾液腺細胞に老化が惹起され、唾液腺の機能低下が起きたと示唆された。
|