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2020 年度 実施状況報告書

口腔癌の浸潤・転移メカニズムにおける歯周病原菌の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18692
研究機関大阪大学

研究代表者

西山 今日子  大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (70846542)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔扁平上皮癌 / 歯周病原菌 / 癌悪性化機構
研究実績の概要

癌の浸潤・転移は患者の生命予後を損なう要因であり、その制御機構を明らかにすることは急務である。口腔癌研究において、癌悪性化機構は解明されつつあるが、周囲口腔環境と癌悪性度の相関性やその誘導メカニズムは依然不明な点が多い。口腔微生物もその一つと考えられており、いくつかの作用メカニズムが示唆されている。口腔領域の慢性炎症である歯周病の細菌刺激や炎症性メディエーターによって、細胞増殖・突然変異誘発・癌遺伝子の活性化および血管新生を促進、誘導される。
近年、歯周病罹患は口腔癌および食道癌の発病リスクファクターとなることが示唆されており、歯周病原菌が原因の一つと考えられている。頭頸部癌の死亡率は、歯周病罹患患者、または歯周病原菌P. gingivalis(P.g)保有者では高い値を示しており、P.g抗原は口腔および上部消化管癌の特異的バイオマーカーと成り得る可能性が示唆されている。我々はこれまでにP.gが口腔扁平上皮癌細胞株の浸潤能を亢進することを報告してきたが、歯周病原菌や歯周病に伴う口腔環境の変化が口腔扁平上皮癌細胞株にもたらす影響のメカニズムを検討し明らかにすることが重要と考えた。
まず、P.gおよびP.gのgingipain欠損株であるKDP136(Kgp,rgpA,rgpB)による口腔扁平上皮癌細胞株であるSAS細胞に及ぼす影響を検討したところ、興味深い事にP.g感染細胞ではコントロールやKDP136(Kgp,rgpA,rgpB)よりも細胞が重層する傾向が多く認められた。今後これらの条件下で次世代シーケンサーを用いて検討を行なっていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年4月5月と新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大を受けて、大阪大学の活動基準が「学内において急を要し、且つ、進行を止められない実験のみ許可」「学内における新たな実験・研究作業を始めない」と制限を受けたため、その分若干の遅延を生じている。その後は研究活動を開始され、順調に進んでいるが当初の2ヶ月分に遅れを生じている。

今後の研究の推進方策

次世代シーケンサーによるゲノム解析を用いて、歯周病原菌による口腔扁平上皮癌細胞株の悪性化機構の違いを検討する。癌微小環境の再現。歯周病原菌や病原性因子で癌微小環境を構成する口腔上皮細胞や線維芽細胞を刺激し、環境が与える口腔扁平上皮癌細胞株の悪性化機構について検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由として、新型コロナウイルス感染症流行による実験延期等により当初の研究計画を遂行できなかった事が挙げられる。現在は新型コロナウイルス感染症の影響による研究の活動制限はなく、当初の計画に沿って研究を行なっていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TCGA データの解析に基づく口腔癌における SphK1, 2 and CERK の標的化2020

    • 著者名/発表者名
      濱田正和、西山今日子、鵜澤成一
    • 学会等名
      第79回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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