近年、神経障害性疼痛に対する全く新たな治療薬として、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネル阻害薬が注目されているが、神経障害性疼痛には炎症が関わっていることが報告されている。そこで、本研究では、動物モデルおよび培養したRAW264.7細胞に炎症反応を誘導し、HCNチャネル阻害薬であるivabradineが炎症反応にどのように関与しているかを調べた。その結果、ivabradineは炎症性メディエータであるTNFαおよびIL-6の産生を抑制し、さらに、その培養細胞において発現しているHCNチャネルサブタイプのうち、HCN2チャネルを介して抗炎症作用に関わっている可能性が示唆された。
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