閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive sleep apnea; OSA)のわが国における罹患数は推定500万人と言われ、生活の質を低下させるだけでなく、様々な合併症、糖尿病などの代謝性疾患、心血管系障害、精神疾患を引き起こすといわれている。今回われわれは動脈硬化や心血管系障害のバイオマーカーであるCRP (hsCRP)、IL-6、TIMPなどを用いて、OSAに対する口腔内装置(Oral appliance; OA)の効果と動脈硬化の相関関係を調査した。またOAはOSAを改善することは事実であるが、睡眠の質にどのような影響を与えているのか、質のよい睡眠を評価する場合にみられる徐波睡眠の発生頻度を評価する。バイオマーカーの使用にて、口腔内装置が心血管合併症のリスクを下げることが可能かどうかを評価し、症例の中にはデータ採取中にペースメーカーを留置する症例もあり、口腔内装置による効果なのかが不明なる症例や、TNF-αが口腔内装置使用後に微増する症例もあったが、有意差は認められなかった。
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