本研究は、口腔癌におけるカルシウム・ミトコンドリアが関与する薬剤耐性機構を解明することである。細胞死誘発カルシウムシグナルを特異的に増強させ、効果的なシスプラチンによる抗腫瘍効果を得るために、細胞外カルシウム除去剤:EGTA、細胞内カルシウム除去剤:BAPTA-AM、ミトコンドリアカルシウムユニポーター阻害剤:Ru360を使用した。その結果、シスプラチンにEGTAを併用することで、シスプラチン耐性口腔癌細胞株に対する細胞増殖の抑制、細胞死を認めた。 またシスプラチンを曝露させると、耐性株ではミトコンドリア内のカルシウムが減少し、その一方で感受性株ではカルシウムの蓄積を認めた。
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