研究課題
この研究は、閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea: OSA)の発症機序を明らかにするとともに、治療方法の一つである口腔内装置(Oral Appliance: OA)の選択基準について明らかにするものである。実際には、OSAの重症度を示す無呼吸低呼吸指数(Apnea-Hyponea Index:AHI)と相関のある項目を明らかにすることとした。評価項目として、形態(顔貌および気道)、機能として口腔機能(舌圧、口唇閉鎖力、最大咬合力)とした。形態の評価は産業技術研究所が開発した相同モデル化技術を用いて行うこととした。相同モデル化技術を用いた顔貌の評価方法は確立した。相同モデル化技術を用いた経時的な気道の評価方法に関しては、MRIを使用する予定であったが困難であったため、動物を用いて2022年度に行ったが確立までは到達しなかった。結果:顔貌とAHIに相関は認めなかった。一方で、口腔機能のうち口唇閉鎖力とAHIに相関を認めた。特に、相関は、非肥満のOSA患者で有意であった。考察:これまで、顎顔面領域の形態とAHiの相関に関する研究は多くあったが、口腔の機能とAHIの相関について検討を行った研究はなかった。そのため、本研究で口唇閉鎖力とAHIに相関を認めたことは、今後のOSAの治療方針決定の一助になる可能性が示唆された。また、本研究では気道形態の解析方法の確立には至らなかったが、口腔機能とAHIの相関を明らかにしたことは、OSAの新しい治療法の開発へとつながると考える
すべて 2021
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Advances in Dentistry & Oral Health
巻: 14(2) ページ: 555883
10.19080/ADOH.2021.14.555883.