大脳皮質拡延性抑制(Cortical spreading depression, CSD)を誘発する片頭痛動物モデルを用い、片頭痛治療薬として経験的に使用されてきた漢方薬の呉茱萸湯の片頭痛への効果について検討した。その結果、呉茱萸湯の慢性投与はCSD発生数には影響を与えなかったが、CSDにより活性化される痛覚伝導路の一次中継核である三叉神経脊髄路核尾側亜核および上部頚髄の活性化を抑制し、また片頭痛関連行動の一つである不動化の時間を短縮した。さらに、青斑核の活性化も抑制した。以上より、呉茱萸湯が片頭痛を抑制することが動物実験でも明らかとなり、そのメカニズムとして青斑核の関与が示唆された。
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