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2021 年度 実施状況報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤転移に関与するインテグリンβ8を標的とした核酸医薬の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K18726
研究機関広島大学

研究代表者

櫻井 繁  広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (70781681)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードインテグリン / 免疫組織学的検索
研究実績の概要

先行研究にて、インテグリンβ8発現と患者の生存率との相関性の可能性が示唆された。インテグリンβ8以外のインテグリンβサブユニットと口腔扁平上皮癌との間にも相関性を得られる可能性を考え、インテグリンβサブユニットを免疫組織学的に検索し、口腔扁平上皮癌の臨床病理学的因子(性別、年齢、発症部位、組織学的分化度、腫瘍サイズ、リンパ節転移の有無、Stage分類)および5年生存率との相関性の有無を検討した。免疫組織学的検索は下記の方法で行った。
10%ホルマリン固定パラフィン包埋標本より5μm の切片を作製し、脱パラフィン、抗原賦活化処理したのち、免疫組織染色を行った。その後、diaminobenzidine (DAB) にて発色を行ない、ヘマトキシリンにて核染色後、脱水、透徹、封入し検鏡した。染色評価は、染色強度により、①全く染色されなかったもの、②弱染色、③強染色の三群にわけ、①を陰性、②および③を陽性と判定することで行った。各臨床病理学的因子および5年生存率との相関解析は、いずれも危険率 5%以下を有意差ありと判定した。
まず、インテグリンβ1、β3、β5を免疫組織学的に検索した。結果、インテグリンβ3、β5は、いずれも口腔扁平上皮癌細胞では発現を認めなかった。インテグリンβ1は口腔扁平上皮癌組織で発現を認めたが、臨床病理学的因子との相関は認めず、また5年生存率との間にも統計学的な有意差は認められなかった。
引き続き、インテグリンβ6および悪性腫瘍の増殖や予後に関連しているFocal Adhesion Kinase(FAK)を免疫組織学的に検索し、検討した。結果、FAKは病理学的因子および5年生存率と有意な相関は認められなかったが、インテグリンβ6は5年生存率との間に統計学的な有意な相関を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍で研究時間の確保が困難であった。また、身体を負傷し研究が困難な時期があったため。

今後の研究の推進方策

リン酸化FAK(pFAK)の口腔扁平上皮癌組織における発現を免疫組織学的に検索し、口腔扁平上皮癌との臨床病理学的因子や予後との関連性を検討していく。統計学的に有意な差を認めたインテグリンに対してsiRNAを設計・作成し、扁平上皮癌細胞に導入し、蛋白発現を Western Blotで解析する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で使用予定物品の購入が困難だったため次年度の予算とした

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公開日: 2022-12-28  

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