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2023 年度 実施状況報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤転移に関与するインテグリンβ8を標的とした核酸医薬の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K18726
研究機関広島大学

研究代表者

櫻井 繁  広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (70781681)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードintegrin / RAC1
研究実績の概要

旧基準のままであったTNM分類を新基準で改めて分類しなおした。
口腔扁平上皮癌(SCC)細胞の挙動をI型コラーゲンゲルを用いた3次元培養で調べたところ、インテグリンαvβ8発現レベルの高いSCC細胞は、タイプI型コラーゲン上での遊走能が高く、I型コラーゲンゲルへの浸潤が亢進していた。また、インテグリンαvβ8発現レベルの高いSCC細胞では,Ras関連C3ボツリヌス毒素基質1(RAC1)の活性化が誘導された。RAC1阻害剤を投与すると、I型コラーゲンによるSCC細胞の運動性が低下した。インテグリンαvβ8とI型コラーゲンとの相互作用は、RAC1の活性化を介して細胞の運動性と浸潤を促進する。したがって、インテグリンαvβ8とRAC1は、口腔SCC患者の転移と浸潤を抑制する新たな標的である可能性があると考えた。
口腔SCC細胞株、Ca9-22、KO、SCCKN、ZAをRAC1阻害剤下で培養し、阻害下での口腔SCC細胞の動きを調べた。ウェスタンブロッティングの結果、Ca9-22およびKO細胞はインテグリンαvおよびβ8タンパク質を高発現していた。Ca9-22およびKO細胞と比較して、SCCKNおよびZA細胞はインテグリンαvとβ8タンパク質を低レベルで発現した。インテグリンαvβ8の発現レベルが高いCa9-22細胞とKO細胞は、タンパク質上で遊走能の亢進を示した。また、RAC1の活性化が認められた。
上記研究結果をまとめ、論文投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍、異動で研究時間の確保が困難であった

今後の研究の推進方策

インテグリンβ8に対するsiRNAの腫瘍内直接投与による遺伝子発現抑制効率と腫瘍増殖抑制効果の検討を行っていく

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で使用予定物品の購入が困難だったため次年度の予算とした

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Interaction of Integrin αvβ8 With Type I Collagen Promotes Squamous Cell Carcinoma Cell Motility via RAC1 Activation2023

    • 著者名/発表者名
      ISHIDA YASUTAKA、SHINTANI TOMOAKI、NOBUMOTO TADAYOSHI、SAKURAI SHIGERU、HAMANA TOMOAKI、YANAMOTO SOUICHI、HAYASHIDO YASUTAKA
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 43 ページ: 4833~4841

    • DOI

      10.21873/anticanres.16680

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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