研究実績の概要 |
旧基準のままであったTNM分類を新基準で改めて分類しなおした。 口腔扁平上皮癌(SCC)細胞の挙動をI型コラーゲンゲルを用いた3次元培養で調べたところ、インテグリンαvβ8発現レベルの高いSCC細胞は、タイプI型コラーゲン上での遊走能が高く、I型コラーゲンゲルへの浸潤が亢進していた。また、インテグリンαvβ8発現レベルの高いSCC細胞では,Ras関連C3ボツリヌス毒素基質1(RAC1)の活性化が誘導された。RAC1阻害剤を投与すると、I型コラーゲンによるSCC細胞の運動性が低下した。インテグリンαvβ8とI型コラーゲンとの相互作用は、RAC1の活性化を介して細胞の運動性と浸潤を促進する。したがって、インテグリンαvβ8とRAC1は、口腔SCC患者の転移と浸潤を抑制する新たな標的である可能性があると考えた。 口腔SCC細胞株、Ca9-22、KO、SCCKN、ZAをRAC1阻害剤下で培養し、阻害下での口腔SCC細胞の動きを調べた。ウェスタンブロッティングの結果、Ca9-22およびKO細胞はインテグリンαvおよびβ8タンパク質を高発現していた。Ca9-22およびKO細胞と比較して、SCCKNおよびZA細胞はインテグリンαvとβ8タンパク質を低レベルで発現した。インテグリンαvβ8の発現レベルが高いCa9-22細胞とKO細胞は、タンパク質上で遊走能の亢進を示した。また、RAC1の活性化が認められた。 上記研究結果をまとめ、論文投稿した。
|