研究課題
若手研究
申請者は口腔扁平上皮癌細胞(OSCC)に特異タンパクであるTPD52に結合し、細胞外に輸送される分泌タンパクとして、スプラバシン(SBSN)を見出した。SBSNは食道や皮膚などの上皮細胞同定された分泌タンパク質であるが、口腔扁平上皮癌細胞の増殖と転移に重要な役割を果たすことが知られている。そこで本研究では低酸素下の口腔扁平上皮癌細胞におけるSBSNの発現および機能について検索した。その結果、SBSNは低酸素状態化のOSCCの細胞死においてにおけるオートファジーを誘導するよりもむしろ細胞浸潤、血管新生を誘導することによって細胞死抵抗性に関与することが明らかとした。
口腔外科学
低酸素下の口腔扁平上皮癌細胞においては, SBSNは細胞浸潤, 血管新生に重要な役割を果たすことが明らかとなった。この知見は口腔扁平上皮癌に対する化学療法において、新たな分子標的薬のターゲットを見出したことを意味する。ゆえに、本研究は口腔がん治療における一つのマイルストーンになることが期待される。