研究課題/領域番号 |
20K18742
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
寺田 知加 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40460216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 405青紫色レーザー光 / 抗菌ペプチド / 術後感染予防 |
研究実績の概要 |
生体材料であるチタン(Ti)やポリ-L-乳酸(PLLA)を骨接合材料として使用した手術の術後合併症として術後感染があるが、確実な予防法は確立されておらず、未だ一定数の報告がある。骨接合材料を用いた際の術後感染における抗菌薬に替わる感染予防法の確立を目的に材料表面における405nm青紫色レーザー光照射による細菌の増殖抑制効果および抗菌ペプチドによる材料表面の機能化(抗菌性付与)に関する検討を行っている。耐性菌が出現しにくい405nm青紫色レーザー光と抗菌ペプチドとの相乗効果により骨接合材料を用いた手術の術後感染予防法の確立を目指す検討である。 骨接合材料として代表的なチタン(Ti)およびポリ-L-乳酸(PLLA)製の直径10㎜、厚さ2㎜の円盤状の試料を用いて、405nm青紫色レーザー光照射による表面殺菌効果の検証および各種抗菌ペプチドによる機能化を各種細菌を用いて行っている。MRSAの原因菌となるStaphylococcus aureusおよび口腔感染症の原因菌であるStreptococcus mutansを各試料上で培養した後、405nm青紫色レーザー光を種々の条件(時間、出力)で材料表面に照射し、各試料表面に付着した各菌種に対する405nm青紫色レーザー光の影響につき検討を行い、各試料においてStaphylococcus aureusおよびStreptococcus mutansについて405nm青紫色レーザー光による増殖抑制効果を認めた。口腔カンジダ症の原因菌で難治性感染症の原因菌となるCandida albicansについても同様の検討を行ったが、SEMによる観察にて試料表面へ付着は確認できたものの、試料上に均一に付着させることができなかったことから、播種濃度や試料上で培養条件についての検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響でプラスティック各種製品等の消耗品が入手困難であたったため、予定している検討が実施できていない。これに伴い、ヒトにおいて発現が確認されている抗菌ペプチドであるdefensin familyのうち、とくに皮膚や口腔粘膜で発現し、先行研究がなされているβ-defensin 1およびβ-defensin 3、さらに皮膚損傷時に好中球や表皮細胞からの分泌が増加することが知られているLL-37(human cationic antimicrobial protein-18)について、MICの結果を元に各細菌に対する抗菌活性を確認するために各菌株を各種濃度の各抗菌ペプチド存在下に培養し、CFU assayを用いて各菌種に対する各抗菌ペプチドの抗菌活性を検証する予定であるが、その検討も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在プラスティック製品は徐々に入手可能となってきているため、検討に必要な器具等がそろい次第遅滞なく検討を行っていく。細菌培養および試料作製の目途が立ってきたことから、あらかじめ各種抗菌ペプチドの作製も進めていく。 当初の計画では、予定している各種細菌の培養条件や試料への付着条件の検討結果がそろい次第各種抗菌ペプチドに関する検討を行う予定であったが、先に培養条件や付着が確認されている細菌から行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大予防のため世界的なサプライチェーンに不具合が生じている影響で、プラスティック製品を始めとする消耗品の入手が困難であったため、購入費用が十分に発生していない。 今後検討を行う菌種を追加する予定のため細菌を購入し、培養のための培地や消耗品を購入する予定である。加えて、今年度予定している抗菌ペプチドによる機能化についての検討を行うにあたり、抗菌ペプチド作製する費用が必要となる。各抗菌ペプチドでコーティングした試料上で抗菌性についての検討を行うため、培地や培養容器などの消耗品を購入する。
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