研究課題/領域番号 |
20K18755
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森田 知里 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50754727)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 遺伝子異常 / 咬合異常 / 臼歯部開咬 |
研究実績の概要 |
臼歯部の開咬を主徴とする非症候型原発性萌出不全 (Primary failure of eruption; PFE)は1981年に報告され、2008年には原因遺伝子として副甲状腺ホルモン受容体1 (Parathyroid hormone receptor 1: PTH1R)が同定された疾患である。臼歯部開咬に伴い、著しい咀嚼障害が生じ、治療において矯正治療は中心的役割を担う。しかし、萌出障害を有する歯の一部が矯正力に反応しないことが知られており、画一的な低位歯の牽引処置を適用するには注意が必要である。また、昨年度よりPTH1Rの下流分子であるGNASの遺伝子異常に起因する偽性副甲状腺機能低下症に対する矯正治療が保険収載された。 本研究はPFE関連遺伝子がすべて同定されていない可能性を見出し、PFEの病態や矯正治療経過の違いが原因遺伝子に起因するものであると仮定し、この相関を明らかにし、治療法のガイドライン確立を目標とした。PFEが疑われる患者にスクリーニングとして遺伝子検査を行う一方、検出された原因遺伝子と治療結果を紐づけしたデータを蓄積し、適切な診断・治療法の選択に指針となるガイドラインを確立し、確定診断に利用可能なパネル検査の構築を図る。 今年度はPFEに加え、歯科領域で問題となる象牙質形成不全や部分性無歯症等に関する候補遺伝子を含めたパネルを構築した。現在、PFEを発症している1家系3名と孤発症例1名、非症候性部分無歯症の患者13名について遺伝子解析を終えており、今後疾患原因遺伝子の絞り込みを行っていく段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨今のコロナ禍において、患者の受診控えもあり、患者の選定に時間を要した。 孤発例に関しては、原因遺伝子の絞り込みに際し、症状のない家族の検査協力を仰ぐ必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
大阪大学大学院医学研究科附属最先端医療イノベーションセンター 共通基盤部門 (CoMIT Omics Center、高島 成二 教授)の協力を仰ぎながら、疾患原因遺伝子の絞り込みを行っていく段階である。 また、対象患者数を増やしていく必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において学会の中止、WEB開催が相次ぎ、旅費が発生しなかった。 次年度に解析費用、論文投稿費用として消費する予定である。
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