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2020 年度 実施状況報告書

骨リモデリングの最適化アルゴリズムを組み込んだ長期的な歯の移動の可視化と移動予測

研究課題

研究課題/領域番号 20K18765
研究機関長崎大学

研究代表者

近藤 崇伸  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (20814106)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード有限要素法 / 矯正力による歯の移動 / 人工知能 / 骨リモデリング / 骨密度 / 歯の移動予測
研究実績の概要

骨改造の最適パラメータを、ヒト有限要素モデルに適用し、長期的な歯の移動シミュレーションを行う。まず第一段階として、矯正力負荷時の歯根膜に生じる応力(メカニカルストレス)および歯根周囲の骨密度と骨改造速度の関係を明らかにする必要がある。そこで、ヒトモデルにおける骨改造を考慮した長期的な歯の移動予測が可能なシミュレーションモデルを確立した。有限要素モデルについて、従来モデルでは四面体一次要素が多用されているが、解析精度が悪いため、試作モデルでは一部を除いて六面体一次要素を用いた。また、六面体一次要素で分割できない部分は五面体要素を用いた。従来モデルでは自動メッシュ分割を用いているため、それぞれの要素の大きさが不均一となっている。また、アスペクト比の大きい要素が散在している。応力分布についても考慮されていない。また、不均一な要素や極端なアスペクト比を持つ要素は解析精度を悪化させる。そこで、試作モデルではできるだけ要素サイズが均等になるようにメッシュ分割を行った。また、応力集中部は細かくメッシュを分割した。歯根膜モデルの作成についても、工夫をこらした。歯根の一回り大きいモデルを作成し、そこから歯牙のモデルを差し引くBoolean処理を行った。以上より、生体と近似したヒト有限要素モデルを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスを用いた実験的歯の移動実験において、2種類の移動様式として、傾斜移動と歯体移動を行う必要がある。歯体移動を行うための実験システムで、実際に歯の移動を行い、小動物用in vivoマイクロCTを用いて、移動前と移動後の撮影を行った後に、3次元構築画像の重ね合わせより、歯の移動動態を評価したが、充分な歯体移動を生じていないことがわかった。そのため、歯体移動を確実に行うためのシステム構築に時間を要したため、研究の進行に遅延が生じた。

今後の研究の推進方策

今後、マウスを対象とした実験的歯体移動を行うためのシステムを構築し、傾斜移動と同時に小動物用in vivoマイクロCTを用いて、重ね合わせ法を用いて、歯の移動評価を行い、実測データを収集する。次に、マウスの有限要素モデル(上顎骨)を作成し、歯の移動シミュレーションを行う。また、ラットを対象とした実験的歯の移動前のマイクロCTデータのボクセル値から骨密度を求め、マイクロCT上の座標と歯槽骨密度を対応づけ、骨密度の3次元マップを生成する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大の影響を受けて、必要な出張がキャンセルになったことと、研究計画の変更を余儀なくされたことにより、次年度使用額が生じた。今後の使用計画については、研究の遅れを挽回すべく、実験に必要な物品を購入する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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