本研究の目的は矯正治療時の歯根吸収の発生因子であるWntシグナル伝達とOPG-RANKL-RANKシグナル伝達システムおよびアポトーシス活性との関連性を検討し、矯正治療時の歯根吸収メカニズムを解明することであった。 本研究にて、in vivoにおいて過大な矯正力を加えた7日後から歯根吸収および破骨 (歯) 細胞の出現が認められた。Control群、10 g 群の各1日後ではセメント質表面でWnt7a陽性細胞が多数認められた。これにより至適矯正力においてはセメント芽細胞のアポトーシスはWnt7aにより阻害され、リモデリングにおける相互作用のバランスが保たれていることが示唆された。
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