本研究では、菌体表層にコラーゲン結合タンパクを発現しているミュータンスレンサ球菌(CBP陽性株)の定着メカニズムを、乳幼児期の口腔細菌の定着および授乳習慣の観点から検討した。100ペアの小児および母親から唾液サンプルを採取し、抽出したDNAを用いてPCR法によりコラーゲン結合遺伝子の検出を行った。まず、母親では小児と比較してCBP陽性率が高い傾向を示した。また、母親がCBP陽性の小児では、母親がCBP陰性の小児と比較して有意に高い確率でCBP陽性株が検出された。さらに、CBP陽性株を保有する小児は保有しない小児と比較して、母乳育児期間が有意に短いことが明らかになった。
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