研究課題
若手研究
オートファジーは細胞が有する不要物を分解するリサイクルシステムであり、生存に必須の機能である。オートファジーの機能が加齢とともに低下すると、多くのタンパク質が凝集し、最終的に細胞の変性、アポトーシスに至ると考えられている。顎関節軟骨は細胞増殖速度が遅く、細胞の恒常性と機能の維持のためオートファジーの役割が重要と推測される。本研究は変形性顎関節症とオートファジーの関連を明らかにすることを目的に行った。その結果変形性顎関節症ではオートファジーが低下することが明らかとなった。
矯正・小児系歯学
本研究で変形性顎関節症時にオートファジー機能を退化させる因子が特定され低下するメカニズムが解明された。変形性顎関節症においてオートファジーの低下を防ぐことで変形性顎関節症の新規治療法確立につながる可能性が示唆された。高齢者はオートファジーが低下していると報告されており、本研究の目的が達成されオートファジーが維持されれば、歯科領域疾患に留まらず、変形性膝関節症や関節リウマチなど、高齢者の関節疾患の予防および治療につながる可能性があり、医学的発展に影響を与えることが期待できる。