研究課題/領域番号 |
20K18790
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
川村 尚彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30849336)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スキャフォールド / バイオインク / 3Dバイオプリンター / 3Dバイオプリンティング / マイクロX線CT / GelMA / 骨芽細胞 / MC3T3-E |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、間葉系幹細胞と骨形成誘導活性を持つBMP-2を組み合わせたバイオインクにより作製したスキャフォールドが、スキャフォールドとしての役割を果たす機械的特性を有しているか、細胞がスキャフォールド内で生存および増殖するポテンシャルを具備しているか、また、生体に応用するのに十分な親和性を有しているかを明らかにすることであった。 本年度は、実際にスキャフォールドが印刷可能であるか、また実験動物内に留置可能であるかの確認として予備実験を実施した。3Dモデリングプログラムを用いて直径5.0mm、厚さ1.0mmのディスク状のSTLファイルを作製した。そのSTLデータファイルを印刷経路情報を含むG-codeファイルに変換し、3DバイオプリンターINKREDIBLEにて印刷を行った。ラットの大腿骨と頭蓋骨に歯科用ラウンドバーなどを用いて規格化した穴を開け、そこに事前に3Dバイオプリンターを用いて印刷しておいたスキャフォールドを埋入して縫合した。4週間の観察期間のちに摘出し、マイクロX線CTによる観察を行った(n=3)。スキャフォールドの為害性を確認するため、バーなどで穴を開けるがスキャフォールドを埋入しない群も用意し、これをコントロール群とした。 マイクロX線CTにて撮像したコントロール群と実験群との比較を行ったところ有意差は認められず、当初の懸念事項であった手技自体にも、為害性はないと判断した。今回用いたバイオインクは基質となるGelMA単独のものであり、今後はここに細胞や成長因子などを添加していきたいと考えている。 なお、細胞はラット胎児の頭蓋冠より未熟な骨芽細胞を分離培養しており、これを使用していく予定である。この結果によっては、MC3T3-Eや未分化観葉系細胞など他の細胞に変更する可能性もある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画では、(1)3Dバイオプリンターによるスキャフォールドの印刷性の確認、(2)印刷したスキャフォールドの実験動物(ラット)への埋入予備実験、(3)3Dバイオプリンターに用いる細胞の準備を予定していた。(1)(2)に関しては、印刷からラットへの埋入、摘出までの一連の流れを予備的に実験することができた。(3)に関しては、前述の通り、ラット胎児の頭蓋冠から未熟な骨芽細胞を分離培養することに成功した。 ほぼ予定通りの進捗状況であるが、実際に行った予備実験によりいくつかの懸念事項も生じてきたので、次年度に必要に応じて研究計画を改変していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、(1)実際にバイオインク内で細胞が生存可能かの確認、(2)印刷したスキャフォールドの機械的特性および分解特性の評価を実施していく予定である。(1)の細胞生存に関して、現在用意した細胞では安定性にかけるようであれば、MC3T3-E細胞や未分化間葉系細胞などの使用も検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の発表として各学会への参加を予定していたが、今年度は新型コロナウイルスの大流行により学会の中止もしくはオンラインでの開催となった。これにより、予定していた旅費分を使用しなかったため次年度使用額が生じた。概ね計画していた助成金額と差異はないため、当初の計画内容通り実施する予定である。
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