本研究の結果から、ASD患者の口腔と腸内の細菌叢は、定型発達の患者の細菌叢とは類似していなく、定性的な評価、定量的な評価においても有意差が認められた。さらに、ASD患者群と定型発達群を区別し得る細菌種の候補を複数見出した。 本研究の結果がASDの病態に関係しているかどうかはさらなる研究が必要だが、今回の結果は、ASD患者の診断や治療アプローチに新しい視点を与える可能性がある。ASDの病因解明に貢献できるだけでなく、唾液や糞便の検査という低侵襲な方法がASDの早期診断やバイオマーカーとして活用できるかも知れない。
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