本研究では男女差以外には多型性がほとんどないExon 1領域に着目して、性別判定用プライマーセットを開発し、法医DNA鑑定に用いられているGlobalFiler Amplification Kitと比較検討を行った。 結果、性別判定を安定して行う為に必要なDNA量は、プライマーセットおよびGlobalFiler共に25 pgと、感度の面では同等であった。そこで、高度に断片化した古人骨試料を用いて両者を比較したところ、増幅産物の鎖長が短い本研究の方法はGFに比べ優位性が認められた。本法は高度変性試料についても適用可能、かつ手技が簡便で迅速、安価であり、法医科学及び自然人類学に貢献できる。
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