目的は,要介護者に対する歯科診療特有の複合的な前屈位保持動作時の腰背部や股関節の筋活動に対する腰痛防止ベルトの効果と有用性を明らかにすることである.歯科診療姿勢を想定し,体幹前屈に左回旋を加えた回旋条件,左回旋と左側屈を加えた回旋・側屈条件を行った. 2種類のベルト(背部の伸縮ゴムにより前屈方向のみの支持力を提供するものと複数のベルトで多方向への支持力を提供するもの)を使用し,腰背部および股関節の筋活動を計測し,受容性も評価した.その結果,前屈方向のみの支持力を提供するものと比較して多方向への支持力を提供するものでは腰背部および股関節の筋活動が減少し,受容性は,ベルトの配置で変化しなかった.
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