研究課題/領域番号 |
20K18818
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高井 理人 北海道大学, 大学病院, 医員 (80825513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小児在宅歯科医療 / 小児在宅医療 / 医療的ケア児 / 訪問歯科診療 / 口腔管理 |
研究実績の概要 |
小児在宅歯科医療のニーズは数多く存在すると考えられるが、その担い手は不足している。本年度は、小児在宅歯科医療に関する実態調査について報告した。小児在宅歯科医療研究会に所属する歯科医師206名に対して行ったアンケート調査で、130名から回答を得た。回答者の内訳は、小児訪問歯科診療を実施する歯科医師が51名、小児訪問歯科診療の実施を検討している歯科医師が42名、在宅医療の後方支援を行う歯科医師が26名、その他が11名であった。 小児訪問歯科診療を実施する歯科医師の多くは、小児以外の患者を訪問歯科診療の主たる対象としており、その中で数件の小児訪問歯科診療を行っている状況であることが示唆された。対象児は0~4歳の低年齢児、および超重症児の割合が高かった。小児訪問歯科診療を実施する歯科医師にとって他職種との連携における課題が大きいと考えられた。小児訪問歯科診療を行うことを検討しており、実施する意向がある歯科医師においては、依頼がないため実施に至っていない場合が多かった。患者家族や他職種に対して小児訪問歯科診療の存在や役割を周知し、円滑な連携を行うための地域医療システムを構築することが、小児訪問歯科診療の普及につながると考えられた。小児在宅歯科医療の後方支援病院として機能する医療機関の数は現在のところ少ないものの、潜在的には数多く存在する可能性が示唆された。 本年度、医療的ケア児における口腔の特徴の記述とリスク評価を行う予定としていたが、新型感染症流行のため対象者を募ることができなかった。次年度に繰り越して実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、在宅療養する医療的ケア児を対象として、口腔内の特徴の記述とリスク評価を行う予定であった。しかし、研究開始直後から新型感染症流行のため、患家への訪問が困難となり、データ採取ができなかった。次年度に繰り越して、対象者を募る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新型感染症の流行下においても患家への訪問は再開されてきており、次年度以降はデータ採取が可能となる見通しである。医療的ケア児の口腔内状況(唾液分泌量、唾液中細菌数、唾液pH、歯石沈着、歯肉炎、う蝕、舌苔等)、口腔機能(口唇、舌、顎運動機能、嚥下機能)、全身状態(意識状態、粗大運動、医療的ケア等)について、それぞれの特徴を記述し、関連を調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型感染症拡大のため、参加予定であったすべての学会において現地開催が見送られた。そのため旅費が計上されなかった。研究計画が予定よりも遅れており、それに伴い、物品の購入にも遅れが生じている。次年度以降に使用予定である。
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