研究課題
若手研究
温度で発現や活性が変化するタンパクと免疫応答や皮膚のバリア機能の調節への関与が報告されているが、上皮における温度と免疫、バリア機能の関係については不明な点が多い。最終目標を口腔粘膜における温度応答を解明することとし、上皮細胞における温度と免疫制御、バリア機能の関連を明らかにすることを目的に温度刺激下で三次元培養モデルに生体を模した温度グラデーションを付与した培養を用いて解析を行ったところ、細胞増殖や分化に関わる遺伝子や炎症、免疫関連遺伝子、エネルギー代謝に関わる遺伝子の発現変化がみられた。
細胞生物学
温度刺激そのものが免疫機能の調節やバリア機能亢進に有用であった場合は簡易な治療、予防法の開発に研究成果を応用可能である。また既存の薬剤とは全く異なるメカニズムによる抗炎症製品などの開発や、副作用が少ない薬剤やヘルスケア用品の開発も期待できる。温度のグラデーションや薬剤により厚い上皮が形成された場合は、移植後の組織再建や創傷治癒の観点からも有用であるため、再生医療の技術革新にも貢献することが可能である。