本研究の目的は新規行動変容指導法を開発すること、そして新規行動変容指導法ががん患者の口腔に関する自己効力感を改善することが可能か検討することである。これまでに歯周病患者において効果が報告されているStanford 6 step methodについて、その日本語版の作成者に連絡を行い、使用と一部改変の許可を得た。その後、歯科医師/口腔外科医/歯科衛生士からならうフォーカスグループにおいて内容の検討を行い、プレリミナリー版のStanford 6 step methodをがん患者において適応できるように改変し、Stanford 6 step method for cancer patientsを完成させた。第二段階では、新規行動変容指導法(Stanford 6 step method for cancer patients)ががん患者の口腔に関する自己効力感を改善できるか検証するべく、臨床研究を進めている。これまで前段階の調査となる、がん患者の主観的評価に関わる調査については、論文および学会発表を行い成果報告を行っている。特に、口腔癌患者では患者の主観的評価と客観的評価がずれることが多いため、自己効力感に影響を及ぼしやすいことを報告した。第二段階の臨床研究については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により、臨床研究開始の時期が大幅にずれ込んだことによって、現在進行形で進んでいるところである。
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