研究課題/領域番号 |
20K18835
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
堀部 耕広 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90801506)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 口腔機能低下症 / 口腔機能管理 / 栄養状態 / フレイル |
研究実績の概要 |
今回の研究は、補綴科外来患者に対して口腔機能検査を行い、該当率を算出し、口腔機能の低下している自立高齢者の実態をつかむ。また低下している被験者に対して口腔機能の管理および簡易的な栄養指導を行うことが栄養状態の維持向上に有効かどうかの介入研究を行う。 被験者は東京歯科大学補綴科、東京、千葉にある歯科医院に来院した65歳以上の100名の男女に実施する予定であった。現在のところデータを取得できているのは200名、介入後のデータを得られた被験者が30名であった。 口腔機能低下症の判定に従い、咬合力、舌圧、オーラルディアドコキネシス、EAT-10、咀嚼能力検査、舌苔の付着度を行う。7項目の内3項目を口腔機能低下症とする。またその他の因子として食品摂取多様性スコア、BMI、握力、基本チェックリスト、患者満足度を採取し口腔機能の維持向上がフレイルや栄養状態に対して影響があるのか検討する。 200名のデータを集計して口腔機能低下症とフレイルとの関係をまた主観的な評価が口腔機能低下症を判断するためのスクリーニングとして可能であるかを検討した。まず主観的な主訴が口腔機能低下症においてスクリーニングとなり得るかについては、口腔機能に対して9項目の主観的な評価において、一つ以上の該当したものがあれば口腔機能低下症に該当する割合が多く感度も非常に高かったことがわかった。これにより外来でも常に患者の主訴から口腔機能低下症の検査を行い症状を早期に見つけることが可能となる。次に口腔機能低下症の該当者はフレイルとも関連があることが分かった。特に75歳以上で明らかになっており関連因子を調整しても口腔機能低下症とフレイルは関連があることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
進捗状況としてはやや遅れている。当初100名のベースラインの患者データと半年後のデータを採取できると予測していたがコロナにおける緊急事態宣言などもあり、2回目の半年後のデータ採取が半分以下になってしまった。今後はベースライン患者を増やし、2回目のデータ採取を50名以上は確保したい。またその中で具体的な栄養指導の介入や積極的な口腔機能訓練を行うことによって、どう改善するかを詳細に調査していく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究を遂行する上での課題と言えばリコールで半年後に来てもらえる患者がどうしても確実に確保できない状況があるため、母数を増やして半年後の再評価の数を増やす必要がある。今後の方針は上半期で2回目の測定者をまとめて予備解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
被験者が目標数まで達しておらず引き続き試料採取を行う必要がある。また2回目の検査評価についても前年度と同様の額が必要となることが予想される。口腔機能低下症の診断において口腔機能精密検査の実施を行う。その際の備品購入に使用する。また訓練の際に使用する予定であるペコパンダ、リップルトレーサー、配布用資料なども購入予定である。その他論文投稿、学会発表、参考資料の購入などに充てる。
|