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2022 年度 実施状況報告書

真菌のクオラムセンシング分子によるECC発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K18837
研究機関鶴見大学

研究代表者

宮之原 真由  鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (70460186)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードクオラムセンシング分子 / Farnesol / Candida albicans / Streptococcus mutans / リアルタイム細胞アナライザー
研究実績の概要

システマティックレビューによる「Early Childhood CariesとCandida albicans口腔感染との関連」が複数の研究グループから報告された。しかし、従来のStreptococcus mutansを中心とする齲蝕病因論の中で、真菌であるC. albicansは齲蝕発症に関する因子を持たないため齲蝕誘発メカニズムを説明することは、現在までの知見では不可能である。そこで、「C. albicansの細胞外分泌情報伝達物質が、間接的にS. mutansの齲蝕病原性を亢進させる」という仮説を立てた。
C. albicans特異的情報伝達物質としてC. albicansのクオラムセンシング分子(Farnesol)に焦点を当て、S. mutansの齲蝕病原性に直接関与する「ショ糖依存
性バイオフィルム形成能」への影響を評価する。
研究の目的は「S. mutansの齲蝕病原性を亢進させるC. albicansのクオラムセンシング分子の解明」である。本研究の具体的なS. mutansの齲蝕病原性とは、ショ糖依存性菌体外不溶性グルカンの産生であり、C. albicansのクオラムセンシング分子とはFarnesolを指す。研究の成果は、疫学研究で得られた「Early Childhood CariesとCandida albicans口腔感染との関連」に生物学的妥当性を与える。
2021年度は患者より臨床株を採取し、Candida albicans(標準株、臨床株)に様々な濃度のクオラムセンシング分子(Farnesol)を用いて、リアルタイム細胞アナライザーにて調べた。
2022年度はC. albicansS. mutansのショ糖依存性不溶性グルカン産生促進効果を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年度は患者よりCandida albicans臨床株を採取した。C.albicans(標準株、臨床株)の増殖抑制効果濃度をクオラムセンシング分子(Farnesol)を用いて、リアルタイム細胞アナライザーの増殖曲線から調べた。また、振盪培養を行い分化抑制を調べた。Streptococcus mutansでのFarnesolの評価は、96wellプレートを用いて嫌気培養をし、ODを測定、クリスタルヴァイオレット染色を行い、S. mutansのショ糖依存性バイオフィルムの抑制効果を調べた。しかし、リアルタイム細胞アナライザーでの評価は培養条件が調わず、培養条件を変え再度実験を行った。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、実験の開始時期、物品入荷の遅れが生じた。今まで使用していた試薬の入荷のめどが立たず、2022年度は本研究をほぼ最初からやり直し、培養条件を確立した。

今後の研究の推進方策

2023年度はC. albicans特異的クオラムセンシング分子であるFarnesol、および分泌Farnesolを含むC. albicansの培養上清による、S. mutansのショ糖依存性不
溶性グルカン産生促進効果を明らかにし、リアルタイム細胞アナライザー用いて、C. albicansの培養上清を獲得する。非水溶性グルカン産生酵素コード遺伝子(gtfB、gtfC)発現評価を行い、研究成果をまとめて論文とし、国際誌へ投稿する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍において、購入予定の試薬、消耗品の入荷が未定となり、研究条件を変更しなければならなくなった。2022年度は、培養器、培養条件、試薬等を変更しつつ、当初の目的に沿った研究を遂行した。2023年度はC. albicans特異的クオラムセンシング分子であるFarnesol、および分泌Farnesolを含むC. albicansの培養上清による、S. mutansのショ糖依存性不溶性グルカン産生促進効果を明らかにし、リアルタイム細胞アナライザー用いて、C. albicansの培養上清を獲得する。非水溶性グルカン産生酵素コード遺伝子(gtfB、gtfC)発現評価を行い、研究成果をまとめて論文とし、国際誌へ投稿する。

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公開日: 2023-12-25  

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