研究課題/領域番号 |
20K18839
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
大関 智史 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40831582)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教員評価 / 医学教育 / 高等教育 / 質保証 / 比較研究 |
研究実績の概要 |
研究計画2年目である令和3年度は、1年目の文献調査を発展させ、高等教育の質保証の枠組みにおける教員評価制度の調査を進め、海外の文献調査や医学教育分野別評価における教員評価を調査した。また、昨年度の研究成果として、日本の医学部におけるアドミッション・ポリシー(AP)の分析結果及び教員評価に係わるファカルティ・ディベロップメント(FD)に関連する研究成果を国際学会にて発表した。
(1)教員評価制度に関する米国の文献を調査し、その機能や目的における日米の差異を特定した。米国の複数の医学部における教員評価制度に関する文献を整理し、教員評価の実践に関する特徴をまとめた。また、医学教育の質保証全体の枠組みからの教員評価の位置づけを調査するため、日本の医学教育分野別評価における教員評価の項目を調査するとともに、世界医学教育連盟グローバルスタンダードにおける項目と比較分析した。 (2)日本の医師養成を目的とした医学部におけるAPを分析し、International Association for Medical Education(医学教育国際協会)の国際会議にて発表した。本発表では、APを分析することで、日本の医学部入試で求められている医学生像の特徴や能力を明確にした。また、その医学生像に適合する医学教育を実践する教員とその評価方法に関する今後の課題を示した。 (3)10th International Conference on Data Science and Institutional Research(国際応用情報学研究機構によるデータサイエンスと IR に関する国際会議)にて、日本の大学におけるFDに関する調査結果をまとめた論文を発表した。本研究では、日本の大学から収集したデータを基に、FDや教員の能力育成を促進する教員評価の在り方について論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画2年目である令和3年度は、初年度の研究成果を基に、国際会議での口頭及び論文発表をすることができた。また、米国の医学部の教員評価制度に関するオンライン調査も実施した。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により海外での訪問調査を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画3年目は、これまでの調査を発展させ、世界の医学教育の質保証の枠組みにおける教員評価制度の在り方をさらに検討するとともに、海外での訪問調査を通じて、海外の医学部における教員評価制度の実践に関する研究を行う。新型コロナウィルス感染症拡大の影響により海外での訪問調査ができない場合は、オンライン会議やウェブでの調査を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、予定されていた海外の大学における実地調査ができなく、また、国際学会での発表がオンライン開催になったため、渡航費が必要ではなくなった。次年度使用額は、来年度の海外の大学における訪問調査及び国際学会への参加費用の一部としてとして使用する予定である。
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